レオナルド・ダ・ヴィンチ
Leonardo da Vinci
1452-1519
イタリア盛期ルネサンスの巨匠。トスカナ地方のヴィンチ村生れ。絵画,彫刻,建築のほか,自然学,工学,音楽など多方面に才能を発揮し,ルネサンス的な〈普遍人〉の理想の体現者といわれる。1466年フィレンツェに出て,ヴェロッキオの工房で絵画,彫刻を修業,師の《コレオーニ将軍騎馬像》制作に助手として参画し,《受胎告知》(1473年ころ,ウフィツィ美術館蔵),《ブノアの聖母》(1478年ころ,エルミタージュ美術館蔵)などを描いた。1482年ミラノに赴きルドビコ・スフォルツァに仕え,1499年まで滞在。この間,《フランチェスコ・スフォルツァ騎馬像》の制作に着手し,ミラノのサン・フランチェスコ聖堂のための祭壇画《岩窟の聖母》(1483年―1486年ころ,ルーブル美術館蔵)や,サンタ・マリア・デレ・グラーツィエ聖堂に壁画《最後の晩餐(ばんさん)》(1495年―1498年)を描いた。1500年―1507年再びフィレンツェで活動し,チェーザレ・ボルジアに仕えて軍事や土木事業に携わり,《聖アンナと聖母子》(1512年ころ,ルーブル美術館蔵),《モナ・リザ》(1503年―1510年ころ,ルーブル美術館蔵)の制作に着手。その後,ミラノ,ローマで活動,1517年フランソア1世の招きでフランスのアンボアーズに行き,建築,運河工事に従事したが,2年後に同地で没した。自然学的研究は,数学,物理,天文,植物,解剖,地理,土木,機械(飛行機や戦車の考案)など多岐にわたり,これらに関する手稿(《ウィンザー手稿》《マドリード手稿》《アトランティコ手稿》など)の類が諸方に残る。その芸術・科学・自然観を全体として評価することが求められている。