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シエナ
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観光スポット(ドゥオーモ床面装飾)
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床面装飾
床面には掻き絵と象眼細工によるパネルがはめ込まれている。52枚に及ぶこれらのパネルは15世紀から16世紀にかけて制作され、シエナを代表する芸術家が約40人も携わっている。一部のパネルは教会参拝者によって踏まれ摩耗したため、19世紀に修復されている。観光では比較的保存状態の良い、左記地図で赤枠で囲まれた、27と9のパネルを説明することが多い。
入口を入りすぐの所に位置する地図の26番から見てみよう。
26.ヘルメス・トリメギストゥス
Jiovannni di Stefano 1488年作
高い帽子をかぶり、オリエント風の衣服を身にまとい、豊かな髭をたくわえた老人。その足下にはラテン語で「ヘルメス・メルクリウス・トリメギストゥス、モーセの同時代人」と刻まれている。ヘルメスとはギリシャ神話の知恵の神、神々の使者である。カトリックの聖堂のそれも堂内に入った者がまず最初に目にするこの場所に、異教の神が描かれているのは不思議に思われるが、ルネッサンス期においてイタリアのみならずヨーロッパ各地でヘルメス文書と称される文献の研究が行われていた。ここに描かれたヘルメスは異教の神としてではなく、むしろ古代の智者として描かれている。
このヘルメスのモザイクが描かれるのに先立って、ヘルメスの両側には内陣に向かって左右5体づつ古代の巫女(シビュラ)が描かれている。地図の16番から25番までである。これも異教の巫女をカトリックの聖堂に描くなんてと不思議に思われるが、巫女達は古代異教の様々な土地にありながら、キリストの降誕、奇跡、受難、復活を予言している。古代ギリシャの巫女達の姿を教会に描いているのはシエナ大聖堂に限ったことではない。有名なところではバチカンにおけるシスティーナ礼拝堂のミケランジェロによる天井画がある。
16.リビアの巫女
Guidoccio Cozzarelli 1483年作
ヴェールを被りその上に花冠を載せた、黒人の若い女性として描かれている。左手に巻紙を右手に開かれた本を持ち、そこには「彼は、打たれながら黙する。彼は、鞭に無垢の背中をさらす」とキリストの受難を表す言葉が記され、その足下には2匹の蛇が絡み合う台座に銘板が置かれている。そこには「彼は不義なる手に陥る。彼らは、神に対して汚れた手で打ちすえる。そして、惨めにも侮辱された者は、惨めな者達に希望を与える」と記されており、やはりキリストの受難を表している。
17.ヘルスポントスの巫女
Neroccio di Bartolommeo Landi 1483年作
若く美しい女性として描かれており、左手で開いた本を持ち伏せ目がちな物思いにふけるしぐさを見せている。彼女の足下では狼とライオンが握手をしている。これはシエナとフィレンツェの間で締結された条約を表していると考えられている。銘板には「彼らは、食物として胆汁を、のどの渇きには酢を与えた。彼らは、このようにもてなしの悪い食卓を供する。ところで、神殿の帳は裂け、昼の最中に3時間も闇に包まれて夜になる」と記されており、これはキリストの受難と死を表している。
18.プリュギアの巫女
Benvenuo di Giovanni 1483年作
左手で高くかかげ持った開いた本には「私一人が神であり、他の神はいない」と記されている。右手は台座の上に置かれた銘板を指し示しているがそこには「天からラッパが痛ましい声を放つ。割れる大地が冥府の混沌を示す。王達はすべて神の法廷にやってくる。神自らが正しき者と悪しきものを裁き、そして最後に悪しき者を火と闇の中に送る。しかし、正しさを保つ者は再び生きることになる」という最後の審判を表す言葉が書かれており、銘板の下には3人の嘆願者の顔が描かれている。
19.サモスの巫女
Matteo di Giovannni 1483年作
帽子を被り厳しい表情を見せている中年の女性として描かれている。足下には2頭のライオンの胸部を型どった台座に銘板が置かれ「愚かなユダヤ人であるおまえは、死すべき者の心を嘲るおまえの神を認めず、棘のある冠を載せ、苦い胆汁を混ぜた」と記されており、これはキリストの受難を表している。
20.アルブネアの巫女
Benvenuto di Giovanni 1483年作
先の尖った帽子を被った若い女性として描かれている。右手に開いた本を持ち、左肩の上にあげられた銘板には「キリストはベツレヘムに生まれる。彼はナザレにおいて、平和を確立する雄牛が支配しいるときに、告知される。おお、その胸が彼に乳を与える幸せな母よ」と記されている。これはキリストの降誕を予言している。
21.デルポイの巫女
Giovanni di Stefano or Antonio Federighi 1482年作
左手に炎がでている装飾された角笛を持ち、右手をスフィンクスが支えている銘板の上に置いている。銘板には「神の子である汝の神を知れ」と記されている。
22.クマエアの巫女
Giovanni di Stefano 1482年作
髪の長い中年の女性として描かれており、右手に銘板を支え、左手で書物を持っている。銘板には「彼は三日の眠りを引き受けた後、死の運命を終え、それから、死より帰り、復活の最初の始まりを示しつつ、光の中に来たる」とキリストの復活を表す言葉が記されている。
23.クマエの巫女
Giovanni di Stefano 1482年作
ヴェールを覆った老女として描かれている。右手に金葉の小枝を持ち、左手には三冊の予言の書を携えている。足下では六冊の予言の書が炎に包まれている。二人の小さな天使が支える銘板には「今やクマエの予言の最後の時代がやってくる。偉大なる世紀の秩序が再び始まる。今や処女は帰り来たり、サトゥルヌスの王国が戻る。今や新しき血筋が、高き天より遣わされる」と記されている。これはキリストの降誕を表すといわれる。
24.エリュトライの巫女
Antonio Federighi 1482年作
帽子のような奇妙なものを被った気品ある若い女性として描かれている。左手で台座の上に置かれた開かれた本を持ち、右手で一冊の本を抱えている。開かれた本には「天の至上のすみかから、主は、彼の卑しき者達を眺められた。そして近いうちに、彼はヘブライ人の処女から、大地のゆりかごの中で生まれる」と記されている。これはキリストの降誕を予言するものである。
25.ペルシアの巫女
Benvenuto di Giovanni 1483年作
左手に開かれた本を持ち、右手で3本脚の台座の上に置かれた銘板を指し示している。そこには「彼は、僅か5個のパンと2匹の魚によって、干し草の上にいる5千人の人々を満足させる。残ったものを取り上げて、多くの人々の希望のために、12のかごを満たす」と記されており、これはキリストが行った奇跡の一つを表している。
続いて入口から2番目のパネル、地図の27にあたるところから身廊に描かれたパネルを順に見ていこう。
27.「シエナの牝狼」
Leopoldo Maccari 1864年作(オリジナルは14世紀)
シエナのシンボル「ルーパ・セネーゼ」を中心にシエナを囲む都市がそれを象徴する動物として描かれている。アレッツォ--馬、フィレンツェ--ライオン、ルッカ--ヒョウ、ピサ--野ウサギ、ヴィテルボ--一角獣、ペルージア--こうのとり、ローマ--ゾウ、オルヴィエート--ガチョウそして四隅にはマッサ・マリティマが百合を持つライオン、ボルテッラがワシ、ピストイアがドラゴン、グロセットがグリファン(ワシの頭と翼に獅子の体を持つ獣)として表されている。
28.「皇帝の鷲」
作者未詳 1865年以降作(オリジナルは14世紀)
ゴシック様式の柱が縦に並んで輪を描きその中央に皇帝を象徴する鷲が描かれている。
29.「美徳(知識)の丘」
Pintoricchio 1505年作
賢人達は小舟に乗って知識の島へやってきた。彼らを運んだ小舟が右下に描かれており、その小舟に片足をかけ、風を受ける帆を持って立つのが、運命を表す図像である。賢人達は崖を登り、丘の頂上を目指し歩いていく。その頂には中央に知の神がペンと本を持って座っている。彼女の右手にはその手からペンを受け取ろうとしているソクラテスが立ち、左手では地上の富である宝石を海に投げ捨てるクラテスが描かれている。
30.「運命の輪」
Leopoldo Maccari 1864年作(オリジナルは14世紀)
運命の輪の頂点には王が座り、その輪に必至で抵抗し、しがみつく3人の人物が描かれている。四隅には哲学者エピクテートス、アリストテレス、エウリピデス、セネカが、それぞれ運命について述べた言葉と共に描かれている。
8.「ヘロデの追放」
Benvenuto di Giovanni 1485年作
9.「幼児虐殺」
Matteo di Giovanni 1482年作
キリストが生まれた時、ユダヤの王となるキリストの誕生を知ったヘロデ王は自分の王座を奪われることを恐れ、ベツレヘム及びその近郊で生まれた幼児を殺害することを命じる。場面はヘロデ王の宮殿の中庭で、嘆き悲しみながらわが子を守ろうとする母親達の手から剣を抜いた兵士達が強引に子どもを引き離している。地面のあちらこちらに殺された幼児の死体が転がっているという恐ろしい光景である。ヘロデ王は玉座からこの光景を悠然と眺めている。
10.「ユダヤ書」
Francesco di Giogio Mrtini 1473年作
11.モーゼ「出エジプト記」
Domenico Beccafumi 1524年作
12.「皇帝ジギスムントと家来達」
Domenico di Bartolo 1434年作
13.「アブサロムの死」
Pietro del Minella 1447年作
アブサロムはダヴィデの息子でタマルという妹がいた。彼女はダヴィデの息子で異母兄弟のアムノンによって辱められてしまう。実の兄アブサロムは妹の復讐を果たしアムノンを殺害し、別の部族の下に身を寄せる。ダヴィデ王は息子の死を深く悲しんだがアブサロムのことを心から愛していたのでその罪を許し、二人は和解する。しかしアブサロムは父の王位を奪おうと様々な部族から反乱軍を集めダヴィデの軍に戦いを挑む。アブサロムがラバに乗り樫の木の下を通った時にその髪の毛が木の枝にからまり、彼は宙吊りのまま残され、あえなくダヴィデの兵士達に槍でつつかれ死んでしまう。
14.「士師エフタ」
Neroccio di Bartolommeo Landi 1481-5年作
エフタはアンモン人に対するイスラエルの戦いの指揮官として働いた偉大な戦士である。パネルでは戦いの場面が描かれているが、旧約聖書の「士師記」11章30節に書かれているエフタの娘を主題にした絵画などが17-18世紀にしばしば描かれている。「戦い前夜、勝った時にはそのお礼に自分が家に帰る時、家の戸口から最初に自分を迎える生き物をいけにえとして捧げると神に約束した。戦いに勝利し家に帰ると、彼の娘が舞い踊って彼を迎えた。彼女はエフタのただ一人の子どもであった」
クーポラの下に描かれた1から7のパネルにはユダヤの預言者エリヤの物語が描かれている。エリヤはイスラエル人の間におこったバアル信仰に強く反対した。イスラエル王アハブの妻イザベルはバアル礼拝を押し進めていた。エリヤはバアル神の祭司達に挑み、カルメル山上にバアル神とユダヤ人の神のための祭壇を一つづつ用意させる。それぞれがその神の名を呼び、祭壇の薪に火をつけるよう祈った。祭司達の熱狂的な祈りもむなしく、バアル神は返答しなかった。エリヤの神は火を遣わし、彼の供え物を焼き尽くした。
1.「エリヤのいけにえ」2.「バアル神の祭司のいけにえ」3.「バアル神の預言者の殺害」
Domenico Beccafumi 1519-24年作
4.「エリヤとアハブの契約」
Domenico Beccafumi 1524年作
5.「戦いで致命傷を受けるアハブ」6.「エリヤによるアハブの死の予言」
Alessandro Franchi 1878年作
7.「エリヤの昇天・火の車」
Alessandro Franchi 1878年作
エリヤが後継者のエリシャと歩いていると、火の車と火の馬が現れて2人を隔てた。そしてエリヤはつむじ風に乗って天に昇った。
32.「詩編の作者といわれるダヴィデ王」
Domenico di Niccolo 1423年頃作
中央には詩編の作者といわれるダヴィデを様々な楽器を手にした演奏者が取り囲んでいるパネルが、そして両サイドには向かって左に投石機で石を投げる若き頃のダヴィデと、右手に石を受けて倒れようとしているゴリアテが描かれている。
33.「サムソン」
Sasetta 1426年頃作
シエナ
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